しとしと、ぽつぽつ。
窓の外で、雨音がやさしく歌いだす季節がやってきましたね。
正直に言うと、雨が続くと、ほんの少しだけ心が曇ってしまう。子供の頃は、お気に入りの長靴で水たまりに飛び込むだけで世界が輝いて見えたのに、いつからでしょう。濡れたくない、じめじめするのは苦手、なんて、大人になるって少しだけ臆病になることなのかしら。
でもね、そんな雨の日にも、素敵な贈り物が隠されているんですって。
心を穏やかにしてくれる雨音のリズム、澄み渡るきれいな空気、そして、お肌をしっとり守ってくれる優しい湿度。そう思うと、雨の日も案外、悪くない。
そして、雨の日のお出かけに、私たちの心を晴れやかにしてくれる一番のお供が「傘」。
最近は可愛いだけじゃなく、機能的な傘がたくさんあって、お店をのぞくたびに心が躍ります。特に、晴れの日も雨の日も寄り添ってくれる「晴雨兼用傘」は、私たちの強い味方ですよね。
この晴雨兼用傘、実はその歴史をたどると、ずっと昔の明治時代にまで行き着くんです。
当時、西洋からやってきたばかりの洋傘は、絹や綿でできていました。今の傘と比べると、雨を防ぐ力は少し心もとない。だから、日差しをよける日傘として、ハイカラな紳士たちが小粋に持ち歩いていたのだとか。それはそれは高価なもので、持つ人の品格を表す特別な品だったそうです。
時代は流れて、戦後の日本。
おしゃれを自由に楽しみたいと願う女性たちの想いに応えるように、私たちの暮らしに寄り添う、今の晴雨兼用傘が花開きます。
その誕生の裏には、職人さんたちの物語がありました。
日傘としての「美しさ」と、雨傘としての「強さ」。この二つを叶えるのは、とても難しい挑戦でした。雨に濡れても色あせない鮮やかさと、優雅な佇まいを失わないしなやかさ。その難題を解き明かしたのは、日本の伝統技術「甲州織」でした。
一本一本の糸を先に染め、それを寸分の狂いもなく高密度に織り上げる。そうして生まれた布は、雨をしっかりと弾きながら、まるで絹のような光沢と深みのある色彩を宿していたのです。
時を超えた物語が、この一本の傘には込められているのですね。
…と、素敵な傘の物語に想いを馳せても、現実問題、濡れた傘の扱いは悩みの種。電車で隣の人に気を使ったり、大切なお洋服や鞄が濡れてしまったり。
そんな、雨の日の小さな「困った」を、心ときめく「嬉しい」に変えてくれる、とっておきのものを見つけてしまいました。
フランスの人気ブランド「PAUL & JOE」から届いた、吸水仕様の傘袋です。
ぱっと目を引く愛らしい総柄のデザインは、さすがPAUL & JOE。憂鬱な気分なんて、どこかへ吹き飛んでしまいそう。そして、ただ可愛いだけじゃないんです。内側は、濡れた傘の水分をさっと吸い取ってくれる特別な生地。スナップボタンの位置を変えれば、長い傘にも、折り畳み傘にもぴったり寄り添ってくれる優れもの。これさえあれば、もう周りを気にしなくても大丈夫。
お手入れが簡単な撥水加工も、忙しい私たちには嬉しい心遣いですよね。絵柄は全部で8種類。さあ、あなたはどの子を連れて帰りますか?
恵みの雨に、ありがとう。
素敵な傘を生み出してくれた職人さんたちに、ありがとう。
そして、雨の日もごきげんでいさせてくれる、小さな工夫と可愛い味方に、ありがとう。
雨音に耳を澄ませながら、今日もごきげんな一日を過ごせますように。
店舗名:ムーンバット
住所:東京都千代田区 九段北4-1-3 飛栄九段北ビル4階
商品名: PAUL & JOE 傘袋
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